アレルギーを持つ子どもの食事のポイントは?

2019/06/23

 

アレルギーを持つ子どもの食事のポイントとは?

 
アレルギーの子どもを持つママの悩みのタネと言えば…そう「食事」ですよね。特にアレルギーと診断されて間もない場合はなおさらでしょう。何を食べさせればいいのだろう、栄養バランスは大丈夫なのかな、レシピが知りたい…そんな思いを抱えているママも多いのではないでしょうか?
 
そこで今回は、食物アレルギーの食事作りのポイントをご紹介いたします。いずれのポイントも基本中の基本。もちろん特別な道具や知識は必要ありません。初めてアレルギー食に挑戦するママも、この7点を抑えておけば安心です。

 

アレルギー食の大前提!「必要最低限の除去」とは?

アレルギー食の基本は「必要最低限の除去」です。
この言葉はいわばアレルギー食のキーワード!
これから耳にする機会も多くなることでしょう。

そもそも必要最低限の除去とは、「口にするとアレルギー症状が出る食材」のみを除去するという方法のことをいいます。

また、原因食材も完全に除去するわけではありません。
「症状が現れない範囲であれば食べてもよい」のです!

「必要最低限の量」を知るために欠かせない検査が、食物経口負荷試験です。

食物経口負荷試験では、アレルギーの原因食材を実際に少量食べ、どのような反応が見られるかチェックを行います。

もちろん原因食材を口にするため、アレルギー症状が出る可能性もあります。
そのため検査には医師が立ち会い、厳重に進められるのです。
医療機関によっては、入院して行う場合もあります。

 

アレルギーでも大丈夫!楽しい食卓を演出しよう

いかがだったでしょうか?アレルギー食は難しそうなイメージがありますが、やるべきことはただ一つ「原因食材を除去する」これだけです。医師の指示に従い、しっかりと行っていきましょう!

 

ここだけは押さえておきたい!食事のポイント7

 

アレルギー食を作る前に確認しておきたいポイントは以下の7点です。
 
事前に必ずチェックしておきましょう。
 

①アレルギーの原因をはっきりさせよう

最も大切なポイントは、アレルギーの原因をはっきりさせることです。もちろん自己判断は禁物!必ず医師の診察を受けましょう。

 

②医師の指示は必ず守る!

原因食材がわかったら、医師から原因食材の「除去」について指導を受けましょう。基本は「必要最低限の除去」です。
 
除去の程度は個人差が大きく、ひとりひとり違います。原因食材を全て取り除く必要がある子どももいれば、一定の量であれば食べられる子どももいるのです。

また、原因食材を加熱することで食べられる場合もあります。

除去の程度は、食物経口負荷試験などの結果を考慮したうえで、医師が判断します。必ず指示通りの除去を行いましょう。

 

③定期受診を忘れずに…

食物アレルギー=一生食べられない!というわけではありません。成長とともに食べられるようになる子どももたくさんいます。

定期的に医師の診察や検査を受けることで、現在のアレルギーの状況を知ることができますよ。結果によっては食べられる量が増えることも…!また、その受診時に食事に関する質問や相談を行うこともできます。

このように定期受診は、子どもにとってはもちろん、ママにとってもメリットがいっぱいです。忘れずに受けましょう!

 

④他の食品を上手に活用

たまごと牛乳と小麦。この3つの食材は3大アレルゲンと呼ばれている、代表的なアレルギーの原因食材です。実際に子どものアレルギーの原因ほとんどが、この3つの食材なのです。

しかしいずれの食材も、とても栄養が豊富。特にたまごと牛乳はたんぱく質やカルシウムがたっぷりと含まれています。そのため除去を行うと、どうしても栄養素が不足してしまうのです…。

このように不足した栄養素は、他の食品で上手に補いましょう。

 

・たまごが食べられない場合

たんぱく質を積極的に取り入れてみましょう。肉や魚、納豆や豆腐などの大豆食品を積極的に食べさせます。フォローアップミルクを利用するのもひとつの方法です。

・牛乳が飲めない場合

カルシウム摂取を心がけましょう。チリメンジャコなどの小魚や小松菜、大豆食品、などを食べさせると良いでしょう。

・小麦の場合

お米や米粉を利用します。最近では米粉を使ったパンや麺類なども多く市販されているので、そのような商品を利用してみると良いでしょう。

 

⑤誤食に注意!

誤って原因食材を食べないようにしましょう。そのために大切なのは情報の共有です。家族はもちろん、保育園や幼稚園、学校などにもアレルギーの情報をしっかりと提供しましょう。

また、旅行などのレジャーや、パーティーなどに参加する際も誤食に注意が必要です。あらかじめ食物アレルギーについて伝えておき、原因食材が含まれていない料理のみを食べるようにしましょう。

外食時も同様です。事前に原因食材が含まれていないかを確認し、安全な料理を注文するようにしましょう。

 

⑥1番最初に取り分けよう

ママは毎日忙しいですよね。
特に食事の準備は本当に大変!
アレルギー食を別で調理する時間がないという方も多いのではないかと思います。
そんな時におすすめなのが、「取り分け」です。
離乳食でもよく行われている方法ですね。
 
あらかじめ原因食材を別の容器に入れておきます。家族と同じ鍋で調理をし、アレルギーの子どもの分を先に取り分けましょう。取り分けた後で原因食材を鍋に入れ、料理を仕上げます。

これならばママの手間はほんの少しで済みますよ。もちろん料理の見た目もほぼ同じ。家族みんなで楽しく食べることができますね。

 

⑦食器や調理器具はしっかり洗う

原因食材が誤って付着しないように、食器や調理器具はしっかりと洗うことが大切です。特に先が細かいスプーンやフォークは汚れが落ちにくいですよね。注意して洗いましょう。

食器を洗うスポンジは、本人専用のものを用意するとより安心でしょう。

食器洗浄機を使用する際も同様です。あらかじめしっかりと洗ってから食器洗浄機に入れましょう。
 
 

たまごアレルギーの食事のコツ

子どものアレルギーの中でもダントツの患者数をほこる「たまごアレルギー」。実際に悩まされているママも多いのではないでしょうか?

たまごを使った食品はたくさんあります。毎日の献立も一苦労ですよね…。

そこで今回は、たまごアレルギーの食事のコツをギュッとまとめました。さらに簡単な離乳食レシピもご紹介!ぜひ参考にしてみてください。

 

たまごアレルギーの子どもが食べられないもの

 

たまごアレルギーと診断されたら、まずは「たまご」を除去しましょう。

一般的に市販されている鶏のたまごはもちろん、ウズラの卵やアヒルのたまごも除去の対象です。医師の指示に従って除去を行ってくださいね。

当然、たまごを使った料理にも注意が必要です。例えば以下のような料理に卵が使われています。

・オムレツやスクランブルエッグなどの卵料理
・ハンバーグのつなぎ
・フライや天ぷら
・パン
・麺類(焼きそば、インスタントラーメン、パスタなど)
・お好み焼き
・ハムやウインナー
・ケーキやクッキーなどのお菓子

 

このようにたまごを使った料理は盛りだくさん!
特に注意が必要なのは、「見た目では判断できない」料理です。
例えばハンバーグのつなぎ。これはパッと見ただけではわかりませんよね。子供の目ではなおさらでしょう。

だからこそ「成分表」の確認が重要なのです!食品を購入する際には、必ず成分表を確認し、たまごが使用されていない商品を選ぶようにしましょう。

また、外食やお惣菜にも注意が必要です。食べる前に必ずお店の人に確認してくださいね。

 

摂取したいのは「たんぱく質」

たまごの主な栄養素は「たんぱく質」です。たまごを除去する時は、積極的にたんぱく質を摂るようにしましょう。
たんぱく質は、肉や魚、大豆の加工品などに多く含まれています。以下に卵と同量のたんぱく質を含む食品をまとめました。ぜひ献立の参考にしてみてください。

 

たまご1個分のたんぱく質

・肉 30~40g
ひき肉の場合は、たまごサイズのひとかたまりで約50gです。鳥のささみは1本約40g、豚バラ肉の薄切りは約25gです。子どもの好みに合わせて利用しましょう。

・魚 30~40g
子どもに大人気の鮭は1/2切れで約40g。サバも1/2切れで約40gです。シシャモは1本約15g、2本食べれば30gになりますよ。             

・牛乳200ml
フォローアップミルクを活用するのも方法のひとつ。             

・納豆 40g
1パック程度です。ママのお助け食材のひとつですよね。

・木綿豆腐 100g
お味噌汁に入れたり、豆腐ステーキにしたり、煮物にしたり。バリエーションは豊富です。

 

調理方法を工夫しよう

 

卵は、料理のつなぎや衣などに利用されることが多い食品です。しかし心配ご無用!卵が使えないならば、他の食品を代わりに使えばよいのです。

 

つなぎの場合

ハンバーグや肉団子などのつなぎとして利用するたまごですが、実は加えなくても問題ありません。塩を入れてよくこねれば、十分に形成できます。我が家のハンバーグはたまごなしですが、全く問題なし!至って普通のハンバーグですよ。

ただし、肉の分量が少ない場合はなかなか形成できない場合も。そんな時は、長いもやレンコンのすりおろしをつなぎとして代用しましょう。
 

衣の場合

天ぷらの衣の場合は、粉に水だけを加えて混ぜ合わせましょう。やや白っぽくはなりますが、たまご入りの衣と味はほぼ同じです。
 
フライの場合は、小麦粉→溶き卵→パン粉の順に衣をつけていくことが多いです。溶き卵は、水に溶いた小麦粉で代用できます。

お菓子の場合

ケーキやクッキーにもたまごは欠かせませよね。材料にたまごを加えることで、生地がしっとりしたり、綺麗な色がついたり、ふんわりとした食感になったり。確かに良い効果はたくさんあります。
でも心配はいりません!もちろん他の食品で代用できます。

ベーキングパウダーを入れれば、生地はふんわりと仕上がります。バターや牛乳はしっとり感を、野菜ジュースや粉末の野菜パウダーは鮮やかな色合いをプラスしてくれますよ。

最近では、たまごを使用しないお菓子のレシピも多いです。無料で閲覧可能なレシピもたくさんあるので、一度調べてみるといいでしょう。

 

離乳食の場合は?

子どもがたまごアレルギーと診断されている場合は、医師の指示に従って除去を行いましょう。

たまごはたんぱく質が豊富な食品です。白身魚や豆腐、鶏のささみなど、たんぱく質の豊富な食品を積極的に取り入れてみましょう。

 
 

まとめ

もちろん最初は大変なことも多いでしょう。しかし毎日食事を作っていく中で、ママにぴったりの方法がきっと見つかるはず!まずは今回ご紹介したポイントを踏まえながら、少しずつチャレンジしてみてくださいね。応援しています!